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Take the Lead: Advice on winning players and influencing parties

テクニック

by デビッド・ベアフォード (David Bareford)
March 11, 2002

翻訳:Thalion

ここまでで私たちは、リーダーシップの必要性、良いリーダーに求められるもの、について考えてきた。今回はいよいよ象牙の塔を後にして、20面体が飛び交う現場で使える実践的なリーダーのテクニックについて触れていくとしよう。


リーダーシップのテクニック

リーダーシップの必要性と、リーダーのための条件を理解しただけでは、まだ片手落ちというものだ。実際に人々を統率できるかどうかは、それとは全く別の問題なのである。プレイヤーたちを率いていくのがとても難しいのは、彼らがそれぞれに目的とキャラクタの物語を持っていて、それがパーティーの計画やリーダーが指示する内容とうまく噛み合わないことがあるからだ。「猫に集団行動をさせようとする」というのが、まぁ遠くない例えだろう。

また、現実世界での指揮命令系統とは違い、RPG でのリーダーはよく自己申告的に決まることがあるし、また命令に従わなかった場合に懲罰を下すような権威が定められていない。この問題の解決策の一つとしては、GM を何とか丸め込んで、ゲーム上で他のキャラクタたちに対する指揮権を手に入れるという手が考えられるだろう。つまり、リーダーに服従させるわけだ。だがこれは危険な選択だ。なぜなら、他のキャラクタに対して懲罰を加えるようなことをすれば、仮にそのキャラクタのプレイヤーが十分に大人であって、ゲームと現実での感情を切り分けることが出来ていたとしても、少なくともそのキャラクタからの反感を買うことにはなるだろう。

しかし、私たちの多くは現実の「上司・部下」関係から逃げ出すための代償行為として RPG をしているのであるから、例え仮想的なペルソナに対してであっても、その自由意志を侵すような直接的な命令を受けるのは嫌だ、というプレイヤーは多いはずだ。それではどうしたらよいのだろうか?

1) 決断せよ。 最も基本的な考え方をすれば、リーダーというのは、どのドアを開けるべきかといった他愛のないものから、パーティ全員の生命の危機からどうやって脱出するべきかといったことまで、要はグループがどうするかを最終的に決断するキャラクタなのだ。リーダーになると決めたなら、決断しなければならない。パーティのリーダーは、他のキャラクタの意思を無視して自説をごり押ししないものだし、決してそうしてはならない。だが、最終的な決定を下さねばならないのだ。"decide" という言葉はもともと「切り捨てる」という意味のラテン語を語源としている。リーダーは様々な意見を聞き、評価し、決断する。その決断が常に正しいとは限らないが、優柔不断は死につながる。リーダーの決断によって死ぬキャラクタもいるだろう。リーダーの道はいばらの道なのだ。

2) How ではなく what を示せ。 あるパーティがとあるダンジョンの通路で戦闘を始めたとしよう。ファイターたちは最前列でオークどもと切り結び、旗色は悪くなかった。しかし GM は、横道から何かが近づいてくる音が聞こえると言い出した。リーダーは後列にいたシーフとウィザードの方を向いて言った。「トーヴァク、セレイナ、頼む、そっちの通路を押さえてくれ。誰も通すな」

これはアクションシーンでの良いリーダーシップの例だ。短い二つのセリフでプレイヤーたちはチームの一員となり、パーティ全体が生き残るために結束し、英雄がするように前進していく。ここでリーダーは GM に質問をしてより多くの情報を引き出すことも出来た筈だが、それをすればゲームのスピード感が台無しになっていただろう。前列のファイターのうちどちらかを横道側に振り向けるのは、戦術的に見て上策ではないだろうし、トーヴァクとセレイナを手持ち無沙汰のままにしておいたりすれば、彼らはリーダーに信用されていないと思うだろう。これはもっと悪い選択だ。

シーフに向かって「隠れる」技能を使って不意打ちをかけろと言ったり、ウィザードに「千里眼」呪文で危険がないか調べろと命じたりするのは、最善の策ではない。確かにそれが戦術的には正しい判断かも知れないが、他のキャラクタの行動をそこまで細かく指図してしまったら、それはリーダーではなく人形遣いになってしまう。トーヴァクとセレイナのプレイヤーは自分のキャラクタの能力を把握しているのだし、キャラクタの行動まで指図されたら気分を害するかも知れない。

上の例を見ると、一つの簡潔な命令の中にいくつかの重要な要素が含まれていることが分かる:

第一に、リーダーがキャラクタを名前で呼んでいる、ということ。これはつまり、リーダーが、単に手空きの誰かではなく、その人を特に選んで指示を与えているということだ。プレイヤーの名前を使うと、ロールプレイに集中していたものが現実に引き戻されてしまうし、リーダーにも権威がなくなってしまう。

第二に、リーダーが「頼む、そっちの通路を押さえてくれ」と言っている点。「頼む」という言葉は、チームが生き残るためには全員の力が必要であり、チームにとってリーダーが必要だというのと同じくらい、リーダーもチームを必要としているのだ、ということを、リーダーが認識しているということを示している。また「そっちの通路を押さえてくれ」という命令は明確であるが、具体的な方法についての指示はしていない。これはつまり、そのプレイヤーが自分でどうするかを決めなければならない、ということだ。自分の頭を使い、自分のものとして判断する。成功すれば英雄となり、失敗しそうになればリーダーが助けてくれると信じているだろう。リーダーにとって重要なのは、プレイヤーたちは無意識のうちに、与えられた命令に従うかどうかではなく、どうしたらその命令をうまくこなせるか、ということに集中するようになっていく、ということだ。

第三に、リーダーは、「誰も通すな」という言葉で、与えた命令の重要さを強調している。 この言葉はまさにその字義どおり、重要なのだ。近づいてくる敵は半身不随のコボルドかも知れないし、怒り狂ったウェアウルフかも知れない。だが、命令の意図するところはつまり「パーティを守れ」に尽きる。プレイヤーたちは自分のキャラクタの死を恐れるかも知れないが、その一瞬、死と紙一重にあるチームを救えるのは自分たち自身をおいて他にない、と感じることになる。リーダーはチームに何をするかを命じ、その過程で、チームのメンバーを英雄にしていくのだ。

3) 話を聞け。 リーダーも気付かないような解決策を他のプレイヤーが持っているかも知れない。良きリーダーは、パーティのメンバーが提案する内容を評価し、より有望な方に判断する。しばしばプレイヤーたちは、パーティの目的には直接貢献しないものの、足を引っ張りもしないような提案をすることがある。賢いリーダーはそうした提案を奨励し、サポートするものだ。そうした提案を受け入れることはパーティ全体にとっての利益となるし、もしそうでなくても、パーティに貢献しているとか、協力できている、という雰囲気をプレイヤーたちに味わってもらうことが出来る。予め他のプレイヤーの提案を適度に聞き入れておくことで、真の危機にあって重要な決断を下す際に、自説で押し切っても受け入れられる余地を作れるだろう。

4) 可能なときにはパーティの希望を叶えよ。 RPG は集団の遊びであり、みんなで楽しまなければならない。時々、シナリオ上のどの「引き」に従うべきか、とか、宝物をどう分配するべきかといった、はっきりと白黒の付けられない話題についての議論が起きるときがある。こういうとき、良きリーダーはあまり語らず、パーティの意見を聞き、パーティの大体の雰囲気を掴んでいくものだ。そして議論が出尽くしたあたりで、パーティの多数派の意見に沿って決断を下すのだ。これは別に付和雷同せよというのではない。プレイヤーたちには自分が面白いと思う行動を取る権利がある。そしてリーダーはチームの最大多数を創造的な楽しみへと導くべきなのである。こうすることで、最大多数の最大幸福を導きつつ、リーダーの権威を高めることが出来るのである。なぜなら、リーダーはそのための「決断」をしているのだから。

5) みんなを巻き込め。 リーダーは常にテーブルを見渡し、みんなにやることがあるように配慮するべきだ。退屈した人はへそを曲げる。皮肉なことだが、ある仕事に最適の人物を振り向けることが、必ずしも最適とは限らない、ということがよくある。上の例で言えば、通路を制圧するのに最も向いているのはファイターかも知れないが、彼らにはやらねばならないことがあり、逆にシーフとウィザードは手空きだった。この二人は戦闘力という面から言えばファイターに劣るが、そのことがプレイヤーへの挑戦となり、ヒロイズムを鼓舞することに繋がったのである。


シリーズ最終回となる次回では、リーダーが陥りがちな落とし穴と、リーダーを支える背景について語る。絶対的な権力というものが人々の目にどう映るか…。



この記事は米国RPGnetの許可に基づき翻訳されたものです。日本語訳については当サイト管理者ben*at*scoopsrpg.comまたは翻訳者まで。記事の内容については本人へ英語で連絡してください。

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