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翻訳: Thalion
パーティーを指揮するとか、現実世界で他のプレイヤーたちに影響力を及ぼすとかいうようなことを論じはじめると、大多数の RPG ゲーマーは、否応なしに二つの相反するイデオロギーのどちらかに分かれることになる。一つは、複雑な社会を背景としたロールプレイングに参加していたり、あるいは単に他人を支配したいというマキャベリ的欲望を満たすチャンスに舌なめずりしている、というような理由でこの話題に興味津々な人たちのグループ。もう一方は、リーダーなんぞ全く不要で、ロールプレイングは単にゴールにたどり着くだけの遊びじゃない、と主張する人たちだ。
でも、ほとんどのグループは、鉄拳を振りかざす独裁者が支配する世界と、完全な団結がもたらすユートピア的世界との間のどこかにいる。良いリーダーシップというものは、大抵のリーダー予備軍が考えるよりももっと精妙なものだ。この点について説明するための題材として、スターウォーズ・サーガのリーダーたちについて、そのアーキタイプを取り上げてみよう。今回は主にエピソードIV〜VIについて論じるが、これは馴染みのあるキャラクタが多く登場していることと、より長い時間をかけてキャラクタたちが成長している、というのがその理由だ。
まずは帝国から始めてみよう。基本的に帝国は軍事組織であり、最初から命令系統が組み込まれている。色々なジャンルに登場するグループの中には、メンバーがこうしたヒエラルキーに属していて、あるキャラクタが他のキャラクタを統率する関係にあるなど、様々なロールプレイを行うチャンスがある。少尉、軍曹、二等兵といった階級があまり面白い役柄ではないのは、その上に大尉がいるからだ。
続いて暗黒面へと向かってみよう。ダース ・ベーダ?と皇帝だ。彼らは典型的な悪のリーダーだ。人々が彼らに従うのは忠誠心からではない。喉を握りつぶされたくないからだ。ベーダ?も皇帝も、他人の口ごたえを黙って耳を傾けたりはしないし、なにより彼らにとっては、他人というものは使い捨ての駒であることが多い。さて、こういうスタイルのリーダーシップはうまく機能するだろうか? もちろん機能する。帝国軍で彼らに逆らうものはまず見つからないし、規律に反して勝手な行動を取ったりするものもいない。もちろんこうしたタイプのリーダーシップには欠点がある。厳しい規律に縛られているものは、命令に反抗するものに対処したり、知者の助言を受けて代替案を考え出したりするような柔軟性に欠け、最終的には、リーダーを底なしの竪穴に放り込んでしまうような部下に対処することが出来ないのだ。
それでは反乱軍に目を向けてみよう。由緒正しい「正義」の組織だ。ゆるやかな軍組織をベースとしているが、帝国軍よりも多くのアイデアを持ち、民主的で、自ら志願した人々の組織だ。これはつまり友好的な組織であるため、より協力しやすいということだが、逆にいえばそれぞれが強い独立の気風を持っているため、指揮するのが難しいということを示している。
反乱軍のリーダーの一人がレイア姫だ。彼女は明らかに支配階級の人間だが、映画に見られるようないわゆる「PC のパーティ」に彼女が入った場合、ほとんど権力が無くなってしまう。レイア姫は、キャラクタシートにはリーダーと書いてあるが、実際に PC たちを指揮することはない、という典型的なキャラクタなのである。エピソード IV では周囲の人々を指揮しようと奮戦するが、実際よく PC のグループで見られるとおり、見事に無視されてしまっている。後のほうのエピソードでは NPC に対して権力を振るってはいるが、主要なキャラクタに対してはサポート役的な存在になっている。
一方、オビ=ワン・ケノービのアプローチはもっと間接的だ。普段彼は若きルークに自分で判断させようとしているが、状況が難しくなってくると、姫を救出するために宇宙船をチャーターするなど、自分で指揮を取る。このパーティにはハン・ソロという強力なキャラクタがいて、ジェダイのやり方や戦術にいちいち文句をつけてくるが、オビ=ワンはソロの押しの強さや、彼の言う「イカサマ宗教」とかの悪口にも全く動じない。彼は黙って自分の遂行能力を示し、危険の最中にあっても周囲に対して信頼のオーラを放っている。デス ・スターの中では単独行動を取ったが、その前に彼はルークやソロにそれぞれが集中すべき目的を示し、自分たちの意志で解決するよう仕向けている。そして最後に、自分よりもグループの安全を優先し、他のメンバーを逃がすためにわざと斬られてさえいる。ゲームの背景設定にもよるが、PC 集団のリーダーとしての良い模範だ。
オビ=ワンはエピソード IV の途中でこの世を去ってしまうため、これ以上は彼がどうリーダーとして伸びていくのかを解説することは出来ない(彼はエピソードIの見習い役の頃から成長を重ねてきたのだ)。ルークはオビ=ワンをチームのリーダーと見なしていたが、ソロは(オビ=ワンの指示には従っていたけれども)自分の意志が押し曲げられれば彼に逆らっていたことだろう。だが、この運び屋はオビ=ワンの言うとおりにし、そして最終的には、しぶしぶではあったがフォースに対しての敬意を持ち、リーダーを理解することが出来たのである。
エピソードIVの初めでは、ルークはあまりにも短気で世間知らずであり、決してリーダーの器ではなかった。デス ・スターからレイア姫を助け出した後、彼は徐々に世の中というものを理解するようになり、続く攻撃シーンでは優れたパイロットとしての資質を見せている。こうしたルークの変身ぶりは、実はジェダイとしての訓練の賜物だ。後に彼はジャバ・ザ・ハットの手からソロを助け出す際に指揮を取っていたが、その後はずっと自分一人で使命を果たしており、リーダーとしては全く活動していない。ジェダイ騎士のキャラクタは、ちょうどパラディンのように自然とリーダーとなることができるが、得体の知れないミスティックになってしまうことも簡単なのだ。
ハン・ソロは最初、金銭ずくの雇われ船長として登場する。大反攻への大きなプロットを繋ぐ NPC である。彼はすぐに生まれながらのリーダーとしての資格を示し始める。資源(ファルコン号)、運び屋やパイロットとしての腕前、自信と生まれついてのカリスマ、そして恐るべき手下まで持っているのだ。しかし、彼はエピソード IV で見せていた傭兵のような態度や、自己保身を乗り越える必要があった。自分に降りかかるリスクを押してもグループに貢献できることを示した後、彼はグループの事実上のリーダーとなったのだ。
ソロのリーダーシップのスタイルは、もう一つの好例である。オビ=ワンの繊細なやり方とは異なり、ハンは正々堂々チャンスをモノにするタイプの男だ。周囲に威張り散らしたりすることはないが、危機が迫ればすぐに決断を下すことができる。彼は行動する男なのだ。このように言動に筋が通っていて積極的な人間というものに、人は惹かれるものだ。全ての物事について皆で議論したり、頭を巡らすのは、皆が平等であるということだ。リーダーはリードしなければならない。
他にもリーダーシップの例にできるキャラクタはいる(ランド、ジャバ、ヨーダあたりが思いつく)けれども、それは別の機会の、遠い遠い宇宙で…。