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翻訳: Thalion
問題点
さて、そんなわけで君のプレイヤーたちは不死になれるようになった。もう死の恐怖をちらつかせても連中を操れなくなってしまったようにも見える。だが、そうは問屋が卸さない。使える武器が相手を殺す以外のものばかりになってしまったり、せっかくキャラの恋人を人質に取ってもいつの間にか年寄りになっちゃったりという苦労を味わうくらいなら、ゲームの緊張感を損なわずにいつでもチャレンジングなものするために少々頭をひねってみてもいいだろう。そこでこのショッキングなパート2では、永遠に生きるということの落とし穴について話そう。つまり、不死対策についてだ。
普通、不死のキャラクタ対策としては二つのアプローチが考えられる。最初の一つは不死の効果を失わせて定命に戻す方法。もう一つは…大抵こっちの方が楽しいんだけど…不死を逆手にとってそのキャラクタに苦痛、欺瞞、その他諸々の邪悪なたくらみを仕掛ける方法だ。この二つの方法については、既にパート1でも一つずつは触れておいたよね。
おっと、もしまだパート1を読んでいないのなら、絶対読んでおかなきゃダメだよ。いやマジでクールだから。誓うって。
解決策1:液状の肉体対策
あらゆるルーン魔法に対する一番分かり易い対策と言えば、「ルーンをぶち壊せ」に尽きる。つまり、流動のルーンは全身を覆っているから、炎、酸、氷などの「すり抜ける」ことが出来ないようなダメージに対して無防備だということだ。ルーンに傷をつけてしまえば、あとは撃つ、斬る、ぶん殴る、お好み次第だ。もうちょっと気の利いた敵なら、ナノマシンや魔法などを使って、ルーンを書き換えてしまうぐらいのことはするだろう。それも「効果を強める」方向にね。そして肉体は骨だけ残して流れ去る羽目になる。
別のやり方としては、相手の不死性を逆手に取る手がある。例えば液化の効果は骨には及ばない。そこで、尺骨と橈骨(前腕の二つの骨)の間に杭を打ち込んでハリツケにしてしまえば、相手は身動き出来なくなる。別に液状の体の相手に限らなくていいんだけれども、こういう相手なら殺さないですむ。第一、自他ともに認める立派な悪役がだね、PC を拷問できるチャンスを逃すと思うかね? もっと言えば、こういう状態にある PC を叩けば生身が飛び散るわけで、そうなればコンテナに詰めたり掃除機で吸い込んだりもできるかも知れないんだよ!
解決策2:リジェネレーション対策
リジェネレーション能力に対しては、鋭利で一点に強いダメージを与えるような武器ではなく、広範囲に浸透するようなものが最も効果が高い。これには毒、酸、爆発物、そしてあの名高き挽肉製造機が含まれる。ポイントは、短時間で大量のリジェネレーションを強いる、ということだ。最終的な狙いは、再生に必要な部品を使い切らせてリジェネレーション能力を無力化しまうことで、これはちょうど補給線を断たれた軍隊が無力化されるのと同じだ。リジェネレーション能力を持つ相手に銃弾や刃物で攻撃するのは時間の無駄以外のなにものでもない。
また、「毒を以って毒を制する」という訳で、リジェネレーション能力者には生物学的な武器で立ち向かうこともできる。大抵の病原体の毒性の強さは、ある一つの事実によって制限されている。つまり「宿主を殺すのが早すぎると、伝染させるだけの時間がない」ということだ。だが、リジェネレーションによる不死能力者は、極度に発達した免疫システムのおかげで死を免れるため、病原体からすれば、この制約を受けることなく、誰にも邪魔されないほど素早く自分を蔓延させることができる。免疫能力が追いつかないほど速い増殖速度を持つように遺伝子改造された病原体に蝕まれ、それを知らないキャラクタは、知らず知らずの内に死を撒き散らすタイフォイド・メアリ(*1)になってしまう…そう。仲間たちをも巻き込んで!
解決策3:アンデッド対策
この連中は、殺さなくても行動不能にすることができる。アンデッドとなったキャラクタは事実上どんな傷を受けても死んだりしないわけだけれども、それでも両足を切断されてしまったら自力で走って逃げることは出来なくなる。念を入れたければ、それぞれの足を大陸の東海岸と西海岸に持っていき、別れ別れに埋めてしまってもいい。前にも言ったけれども、拷問マニアにとっては、不死者なんてのは願っても無い獲物なのだ。そう、その PC は死なないが、苦痛は感じ続けるだろう。もしどんな拷問をしてもそいつが死なないと分かっているなら、別に手加減なんかする必要はないじゃないか…。
複雑な代謝系の機能を保つような魔法は、お世辞にも目立ちにくいとはいえない。だから探知魔法や占いを用いれば、そうしたものを感知するのは比較的易しい。これが PC のアキレス腱になる。つまり、敵に近づこうとすれば感知されるし、どんなに安全な隠れ家に潜んでいても、敵の抹殺部隊がそこを探し出してしまう。もし世界法則の異なる複数の世界を行き来することができるような背景設定であれば、このことが彼の行動を制限してしまうことになる。つまり、この呪文が働くのに十分な魔力を持たない世界には入れなくなってしまう訳だ。
アンデッドとなることの最大の弱点は、他の不死化の手段と同じく、肉体が持つ代謝システムが置き換えられてしまうということだ。有能な魔術師ならば、霊魂と肉体とを結び付けている魔力の網を解いてしまうことだってできる。PC はこれによって単に定命の存在に戻るのではなく、本当に死んでしまうことになる。アンデッドを維持している呪文を破壊する方法には、複雑な儀式から杭で心臓を一突きするにいたるまで色々なものがある。クリエイティブにいってみよう。
解決策4:サイバーセル対策
しばしば見落とされがちなことだけれども、医療用ナノマシンというものは、相互に協力し合うというその特性上、コンピュータネットワークとして機能しなければならない。つまり他のコンピュータシステムと同様、ハッキングすることができるということだ。大抵の場合、ハッキングは宿主の体内に新たなナノマシンを送り込むところから始まる。このナノマシンは宿主のサイバーセルを擬態し、そのネットワークに侵入した上で、外部のシステムとリンクするように設計されている。一度リンクが出来上がってしまえば、あとは腕利きのハッカーが好き放題できるようになる(このアクションはハッキング処理として扱う)。
これによって、控えめに言っても体内のサイバーセルをシャットダウンして、再び宿主を不死でなくしてしまうことができる。さらに残酷なオプションを取るなら、サイバーセルのプログラムを書き換え、健康な細胞を病原細胞と取り違えさせることによって、自己免疫障害を引き起こすことだって可能だ。こうすれば、筋肉、骨、血液、神経など、事実上は体内のあらゆる組織を攻撃対象とすることができる。死に方としては最悪の部類だが、もしこの攻撃を適宜オフ・オンすることができれば、恐ろしく効果的な『説得』手段を手に入れたことになる。
更に想像力を駆使するなら、娯楽用ドラッグを生成するようにアップグレード済のナノマシンをハッキング対象にすることもできるだろう。相手の脳内にたっぷり鎮静剤を放出させられることのメリットは特に言うまでもない。逆に相手の都合の悪いときに脳内に興奮剤を放てば、びくびくしたり被害妄想的な態度を取らせることができる。例えば、恐ろしく巨大な陰謀が密かに進行しているということを誰かに信じてもらわなければならない時なんかがそれだ。また、眠れなくしてしまうことで疲労や癇癪を起こし易くしたり、幻覚を見させたりすることもできる。そうそう、幻覚といえばもう、悪戯者にとっては究極の小道具と言っていい。コンピュータの処理能力次第では、PC の視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、あらゆる感覚をいじくり回すことができる!
対策の対抗策についてのメモ
世界設定にもよるけれども、これまでに挙げてきたようなトリックは、その世界で不死を扱っている呪付師、屍肉使い、サイバードクなどの間では良く知られているものかも知れない。もしそうであれば、こういう企みをダメにしてしまうような対策を PC が知っていても不思議じゃない。例えば対抗呪文に干渉するような呪文や、ハッキング対策のセキュリティシステム、といったものだ。こうした予防手段というのは大抵難しいのが、逆にそれが、妨害を受けた後の対応手段よりも好まれる理由の一つになっている。ゲームルール上では、予防手段は対応手段よりもペナルティを多く設定しておくべきだろう。
次回予告:肉体改造へのサイオニクスからの回答…バイオフィードバックだ!
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