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Bag o' Nifties: Tricks for GMs |
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翻訳: Thalion
課題
未来を予測する力を持ったキャラクタは、ファンタジーでも SF でもお約束になっているけれども、あまり RPGに登場することはない。その理由は簡単で、RPGではプレイヤーもマスターも、実際に何が起きるか分からないからだ。仮に最高に有能な GMがいて、彼が事前にたっぷり時間をかけて準備をしていたとしても、悪名高きプレイヤーたちの前には、何の筋書きも役に立たないってことは、みんなもご存知のとおりだよね。
だがしかーし!少年少女よ立ち上がれ! 時系列の法則に屈するな! 決して錆びることのないこのジャンルのお約束を、きみのゲームに取り込むいい手があるんだ。これから挙げる三つのテクニックは、どんなゲームにも使うことが出来て、きみがプレイヤーたちに振るうパワーになるものなんだ。
解決案その一: 予言
ぼくらにとっての最大の問題点は、プレイヤーの行動が予測できないということだ。そこで最初に、この予測をしやすくするやり方を挙げてみよう。つまり、予言者は好きなときに未来を覗くことが出来るけれども、それを確実に実現させなければならない、とするんだ。予言者はその予言が神聖にして完全なものであるからこそ、予言者でいられるということにする。もし予言者の言葉が実現しなかったら、本当に未来が見えているのかアヤシイだろ?あてずっぽうを言っているだけかも知れない。そんなことなら誰にだって出来る、というわけ。自分の予言を正確に実現するということと、見えた未来の情報を自分の目的に合うように利用するということ、プレイヤーはこの二つのバランスをとるという難問を負わされるということだね。
予言能力を持つキャラクタが未来を予測しようとした時、GM はこの先にゲームで起きることについて、ビジョンや謎めいた手がかりを与えるようにする。そうすれば、自分が予測した事柄を現実にするのはそのプレイヤーの仕事になる。もし失敗すれば、予言の能力を弱める。きみは GM として、そのキャラクタのスキルを下げたり、この後に彼が行う予測についてペナルティを課したり、あるいはその他の何らかの形でその能力を低下させたりしてもいい。
ここで面白いのは、プレイヤーが予言を解釈するときだ。例えば予言者のキャラクタが、セキュリティチームの連中に建物から放り出される自分の姿を見たとしよう。その自分の頭には不気味な弾痕があった。もし死を恐れてその建物に入るのを拒んだりすれば、彼の予言能力は失われるだろう(予言が実現しないから)。でも、自分の額に特殊メイクで弾痕を作り、セキュリティの連中を騙して、建物の玄関から放り出してもらえば(もちろん、事前にその建物に忍び込んだりしなきゃならないけど)、能力は無くならない。予言は、プレイヤーに様々な難題を投げかけたり、ヒントを与えたり、単に頭を混乱させたりするための、良い道具になるんだ。
解決案そのニ: 予知
超能力と SF との組み合わせで最も多く登場する能力だ。予知能力は文字通り未来を見る能力だ。能力者は無意識のうちに様々な情報源(通常の五官や、それ以外の千里眼など)から情報を取り込み、そうしたデータから、発生する率の高い出来事を予測する。このようにして予測された結果がキャラクタの表層意識へと送り込まれ、「ビジョン」として認識されることになる。
この能力はキャラクタ自身がコントロールすることは出来ない。全く意識せずに働いてしまう能力なんだ。ゲームでは、普通にゲームを進めていく。そして、何か悪いことが起きたとき、プレイヤーはGM に対して予知能力スキル(とか意思力とか)の判定を行えるかどうか尋ねる。そこで GM が許可し、判定が成功していれば、GM はそのゲーム内で起きた出来事を能力者の「ビジョン」であったということにして、一定量だけ時間を「巻き戻し」て、少し前の時点からゲームを再開する。
もちろん、巻き戻しの時間は数秒でも構わない。例えば、能力者が他の PC にトラップや待ち伏せの警告をしても、他の PC が屈む程度の余裕しか与えない、なんてのも全然問題ない。実際、この巻き戻し時間は出来るだけ短くして、プレイヤーたちが「巻き戻し」に飽きてしまわなないようにしないといけない。もしプレイヤーたちがこのゲームメカニズムを濫用するようなら、判定のルールを取り除いてしまって、GM がこの能力の成否を決めるようにしてしまえばいい。でも、プレイヤーを GM の支配下に置くということと、未来の不透明さから来るスリルとのバランスを考えてみても、やはり能力判定のルールは残しておいたほうが良いと思う。
解決案その三: 予兆
最後のテクニックは、歴史や民話に出てくる占いの手法をそのまま持って来たものだ。GM は、重要な NPC 、イベント、その他の事柄に、それぞれシンボル(動物、音、天候など)を割り振っておく。そして、そうした NPC やイベントに繋がるようなシーンで、関連するシンボルをさりげなく背景に配置してする、といったやり方だ。スキルベースのシステムに取り入れる場合、1) 占いの能力を持つキャラクタに判定をさせ、そうしたシンボルを読み取れるかどうか決定する、あるいは、 2) 判定が成功したときにだけ、そうしたシンボルの描写をする、のいずれかの方法を取ればいいだろう。
実はこのシステムは、単なる見せ掛けのヒントを与えているだけなんだ。でも、慎重に使えば、ゲーム内で疑心暗鬼を誘いたい場面では完璧なツールとして機能する。プレイヤーたちはそのうちに、全く意味のないディティールを見ては、それが重要な手がかりだとか、不吉な前触れだとか思い始めるようになってしまう。また、タロットカードをシンボルとして使うことで、タロット占いの焼き直しをやってみせることも出来る(NPC やイベントにカードを割り振る際に、カードの真の意味を使いたいと思うのであれば、タロットについての参考文献はネット上に沢山ある)。ただし、きみとプレイヤーたちの参考文献が同じものであることだけは、きちんと確認しておこう。
例えば、恐れ知らずの冒険者たちが今まさに罠に踏み込もうとしていて、その罠は「龍」という二つ名を持つ将軍によるものだとする。彼らがそこに近づいたとき、占いの能力を持ったキャラクタの足に一匹のトカゲが噛み付く。それ以降、パーティの面々は、ありとあらゆる場所でトカゲを探し始めるかも知れない。朝は自分のブーツの中を探し、夕食のテーブルの上に渡っている梁に登り、といった具合に。タロット占いの出来るキャラクタは、「塔」(破滅を意味する)を近い未来のカードとして引くことになるだろう…その隣には「剣の王」か「月の逆位置」(嘘やごまかしを意味する)のカードが置かれている筈だ。
幽界からの支援者について
歴史からヒントを得られる別のネタとしては、PC が見るビジョンの根源を、より知性的な存在に求めるやり方がある。先祖の霊、悪魔、神などがよく自分のお気に入りに対してちょっとだけ未来を見せたりするのは、よく知られている手だ。こうしたパトロンが自分のペットに何らかの奉仕を求めるときに、その見返りとして、天からの智慧を授けることがある。多少頭の足りない GMでも、そういうシーンをひねり出すことぐらいはは出来るはずだよね。
もっと言うと、知性のある存在というものは、大抵は自分の都合で動いているものなんだ。…そして、そういう連中が自分の行動をうまく運ぶための道具としてよく使うのが、「嘘」。あるシーンを、偽りの予知ビジョンであったとしてみたりすると、忘れられないゲーム体験をすることが出来るだろう。超常的存在の NPCがPCたちをうまく使い走りさせるための手段としては、「偽の予言」が最も手っ取り早い。ウィジャ板やタロットカードに仕掛けをしておけば、同じように簡単にことを運ぶことができる。ただ、プレイヤーがどう解釈するかという風な、より高い視点から見てみると、プレイヤーをうまく操る手法としてはイマイチだね。
LARPについて
「予兆」をライブアクションのRPGに取り込むのは十分可能だけど、上に挙げた三つのテクニックの内、一番簡単に使えるのは「予言」だろうね。予言者のキャラクタに曖昧なイメージを持つ謎の韻文を知らせてやると、自分の予言を実現しようとして周囲のキャラクタを引っ掻き回すことになって、ずーっと LARPを遊ぶ原動力になったりもする。(ちなみに、「巻き戻し」の効果をLARPに持ち込むのは、そのコンテキストから考えても無理だよね)
次回予告:ガラス部屋的セキュリティインターフェイスを用いて、ネットでハッキングを行うキャラクタをアクションに巻き込む方法について、だよ!
All Worldz : A Game of Interdimensional Civilization by ImEG Games
L8r,
--Dan Pond