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Bag o' Nifties: Tricks for GMs

不死 その1 - 死ねないキャラの作り方

by ダン・ポンド (Dan Pond)
August 22, 2001

翻訳:Thalion

問題

さて、今回はいつもみたいにニフティを並べて見せる訳じゃないから、最初に問題のある点をあげつらうことはしないつもり。そんなわけで、冒頭のところは随分ヘンな具合になっているよ。というのは、どうやったらキャラクタが死ななくなるかっていう方法について説明するだけだからね。ただし、パート2ではそういう方法に対する意地悪な対抗策を、君たちんところの変人プレイヤーたちに投げ返す反撃技を入れておくつもり。攻守交替ってのがフェアプレーの基本だからね。さて、あんまり意味は無いかもしれないけど、とりあえず伝統に従って、キャラクタが不死でないってことを「問題」と呼んでおき、そのための「解決策」を並べてみよう。さ、これでいつもどおりのフォーマットだよね。へへ。

All Worldzプロジェクトで僕は、とある興味深い思考実験を核にして、複数の Great Society を作り上げてみたいと思っていた。僕は常々、実質的に寿命というものを持たない人々によって作り上げられる文明があったら、そこにはどういう問題が存在しうるか、という考えに取り憑かれていたので、実際に Society の一つを不死にしてしまった。彼らは遺伝子技術、ナノテク、魔法を駆使して老化を排除し、肉体を維持している。人口を厳しく管理し、文明が停滞しないように常に注意を払っている……と、少なくとも主張している。

しかし、もしこの先寿命というものが存在しないような人生が君の目の前に広がっていたら、不慮の事故死というものに少々過剰に心配してしまうのも無理はないだろう。だから、この不死人たちは遺伝子技術、ナノテク、魔法を活用して物理的な傷を避けているわけだ。さて、ここで僕は4つほどもうちょっと面白い方法を紹介しようと思う。そして来月、こうした手法につけこむための弱点について分析するつもりだ。

解決策1: 液状の肉体

魔法における最も古く、原始的なルールは"類似は類似を生む"だ。この類似の法則を利用して、全身に波のような刺青を施し、それで柔らかくなった体組織が物理的に傷を与えるようなものをすり抜けるようにする。裂傷、擦過傷、刺傷などは即座に塞がってしまう。打撲は全然問題にならない。組織が打撃に合わせて変形できるからだ。

もちろん体が液状であるというだけでは、病気、腐食、火などに対する耐性はないけれども、そういう死に方をする人はあんまり多くないだろう。ただ、刺青の描き方を間違うと、単に組織が流れ去ってしまうことになるので、その働きを抑えるような効果を持つ補助用のルーンを入れておく必要がある。これは 決して肉体改造じゃないから、予算をケチらなくても大丈夫だね!

イメージが面白いので、僕はこの液状の体ってのは好きなんだ。例えば、キャラクタがかなりの高さから固い地面に落ちたとすると、彼の体は周囲に骨と一緒に「飛び散って」また元に戻る。剣で斬れば骨に届くまですっぱり切れるし、そこで剣が停まれば、液状の皮膚と筋肉がその上を覆う。いいSFXが撮れるよね!

こういうキャラクタ的な絵柄にルールの肉づけをしていく場合、単にこうしたキャラが傷を負った場合に、ヘルスレベルやヒットポイント、その他の能力値を 減らさないようにするだけでいい。他に変えなきゃならないところはないだろう。あ、そうそう。液状の肉体が苦手なタイプの傷(火傷とか腐食だね)もあって、そういうものは刺青をダメにしてしまう。この辺のルールは、装備に対してダメージが入った場合の事故と同じように判定するべきだろう。

解決策2:リジェネレーション

遺伝子技術がかなりの所まで進むと、普通の進化では得られなかっただろう恐るべき能力を、生命に与えることができるようになる。その中でもほとんどの科学者が試すに違いないものの一つ(もちろん筋力の増大もだ)が、急速度で組織を再生する能力だ。リジェン(「リジェネレーション」より舌が疲れなくていいでしょ?)は、ある細胞が他の種類の細胞に分化する能力を保ち続けることによって、細胞の成長速度の限界をカバーするものだ。(もともと胚細胞はみなこの能力を持っているが、成長初期の分裂と分化の過程でこの能力を失う)

シェイプシフターも備えているシステムだが、これによって、ある部位に与えられたダメージがどんなものであっても、よその部位の細胞を使いまわして回復することができる。この能力があると血管の傷を簡単に治せるため、切り傷や刺し傷などの小さな傷には特に強くなり、失血を防ぎ、瞬時に皮膚の穴を塞ぐことで感染経路を断ち、筋組織の回復を早めることができる。また、失明、関節破壊、臓器破裂などによって行動不能になることもなくなる。こうしたダメージは通常回復できないものだが、リジェンでなら回復可能だ。

とは言ってもこれは魔法ではなく、生物学的なものだ。つまり、リジェン能力は組織の全質量によって制約されてしまう。腕一本を再生するとしても、人間サイズの生物なら体内資源のかなりの部分を消費することになるため、単純に再生できるというわけにはいかないだろう。必要な資源を体内に取り入れるだけの時間をかけられなければ、体内の未分化細胞をその部位に流し込まなければならない。もしそのときに余剰分を使い切ってしまっていたなら、致命的なダメージから回復することはできないのだ…。

一般的にみて、RPGにおけるリジェン能力は、ヒットポイント(とか負傷レベルとかそういうもの)を毎ラウンド(だかターンだか)一定量だけ戻すことができる力として扱われている。上に述べたような質量保存則の問題をこれに当てはめるなら、食事とか体細胞補給とかをするまでの間に回復できる負傷ポイント(ヒットレベルとか)に上限を定めれば良い。

解決策3:アンデッド

生物学は、精密に組み合わされた代謝系のダンスを通して肉体を動かしている。もしこのダンスが止まったり、テンポが遅くなったり、不協和音を発するようなことになったりしてしまえば、肉体は死んでしまう。しかし、十分に強力な魔法を用いれば、必ずしも生物学にだけ従う必要はない。

アンデッドは、肉体が通常持っている代謝系を、動態と保存の呪文で置き換えたものだ。アンデッドとなったキャラクタには脈はないし、出血もしない。呼吸もしないし、窒息することもない。触れれば冷たいが、凍死することもない。これは確かにトレードオフではあるけれども、知性のある者ならば、喜んでする選択ともいえる。

ゲームの雰囲気にもよるが、アンデッドを永続化させるための呪文は、それを維持するだけでかなりのコストを必要とする。バンパイアが血を吸ったり、リッチが魂を啜るのもこれだ。あるいは、聖なる場所を嫌うとか、特定のダメージ(首を切られる、火、太陽の光、銀、など)に対してぜい弱であるなどの魔法的制約やドローバックを伴うものもある。邪悪な魔法使いの中には、魂の所有権を主張するものもいる。こういう類いの要求は、ホラージャンルでの素敵なお約束や、全く新しいキャラクタにアキレス腱を作ったりするのに使うことができる。行っとけ!

もちろん、アンデッドの特殊能力の中でも、一番気持ち悪い類いのものについては、特に付帯条件なしであたえられる。例えば、細切れにされてもピクピクと震える肉片として存在し続け、下僕がまた縫い上げてくれるまで待ち続けられるとか。大切なことは、このキャラクタは「動物王国のタイメックス」になるのだということだ。最初のうち、プレイヤーたちは良い取り引きだと思うかもしれない。だが、頭の良い敵たちは、アンデッドの能力を逆手に取って、プレイヤーたちを生き地獄に落としてくれるのだ。

ゲーム内での効果として見た場合、PCがアンデッドであるということは、単に死なないということだ。以上、終了。例えばブレンダーの中に詰め込まれて、数千数万の微細などろどろしたピューレの破片にされてしまったとしても、まだ動き続ける。そういうビチャビチャの状態になってしまっては動けないかも知れないが、それでもやっぱり不死なのだ(多分これ、先回りして言ってるだけなんだろうけど)。もちろんこういう場合、いろいろなルールをケースバイケースで作っていかなければならないだろうけれども、麻痺(心臓を貫かれる)、恐怖による行動ペナルティ(これは単にロールプレイだね)、不死の呪文そのものを解除される(不死でなくなる)などについては、一般的なルールの例がそのまま流用できるだろう。

解決策4: サイバーセル

さて、最後のニフティはサイバーパンクセッティングの特産品、ナノテクだ。サイバーセルとは、生体内部に留まってそのシステムを監視し、必要に応じて修理を行うナノマシンのことだ。ナノマシンは特定用途に特化しており、通常の細胞と同様の方法で作業を行なう。それぞれのサイバーセルは、血液、神経、骨、心筋、あるいは生体に対して重要な化学物質を分泌する器官など、対象となる体組織の種類に応じて個別に設計され、処方される。

ナノマシンは分散コンピューティング技術によって協業する。それぞれのナノマシンは常に双方向通信を行っていて、データと処理能力を共有している。一個のナノマシンでも医者を逃げ出させるほどの知性を持ち合わせているが、それを統合することで、ほとんどのスーパーコンピューターに恥をかかせられるほどの能力を発揮することができる。優れた処理能力だけではない。知性体は恐ろしく複雑なシステムを持っているけれども、サイバーセルはそれをほぼ一立方ミリメートル単位でモニターすることができるのだ。一部の欠陥モデルでは、単に計算を行うだけで宿主の体内をかなりの高さまで上げてしまうこともある。

サイバーセルは例えば、凝血剤(出血を止める)、鎮痛剤(理由はいわなくても分かるよね)、興奮剤(疲労に対処する)、抗生物質(感染症対策)、腐食剤(弾丸などの異物を排除する)などを制御し、放出することもできる。また、体内の様々な生物学的信号を真似て、神経伝達物質やアドレナリン、脂肪燃焼物質、成長ホルモンなどを出すこともできる。中には単に娯楽だけの目的のために、脳内で直に作用するドラッグ用のアップグレードを受ける者もいるが、そういう場合は大抵、その効果を逆転させるための対ドラッグ用エージェントも含まれている。いずれにせよそうしたアップグレードは 極めて違法なものだ。

サイバーセルを導入したキャラクタは決してショック状態にならないため、もし今使っているシステムにその類いのルールがあったなら、忘れてしまっていい。また、大抵の病気や寄生生物、疲労などの影響も受けない。かなりの時間眠らなくても平気だから、そういうルールも捨てちゃっていい。唯一追加しなければならないルール(とりあえず次回までだけど)は、組織修復に関するものだ。リジェン能力と同様、サイバーセルによてキャラクタの回復速度は上がる。大抵リジェンには及ばないが、普通にくらべればその速度は大きい。基本的に、サイバーセルを持つキャラクタが「ヘルスポイント(tm)」を回復する速度は通常の2〜3倍とするべきだ(もちろんハードサイエンスなセッティングでないなら、いつでもぶっ飛んだルールにしていいわけだし、リジェンと同じにしてしまってもいい。ただしその場合は、質量保存のルールも一緒に導入することになる。好きにバランスを取ってくれ)

肉体改造に関するメモ

さて、この四種類の強力なアーマーの致命的な欠点を話す前に、君たちんところのマンチなプレイヤーたちが考えるだろうことについて、いくつか話しておきたい。第一に、というかもう明白なことなんだけど、お金の話だ。肉体の持つ生理機構をまるまる作り替えてしまうには、それ相応のコストがかかる。たとえ不死の社会であっても、上流階級のメンバーだけがいくらかの改造を受けられるだけで、それよりも階級の低い人々には全く手の届かない代物だ。もし最初から改造を受けたキャラクタを使いたいのなら、"文句を言われないだけの財力"をバックグラウンドのtraitとして持っていなければならない。ゲーム中に手に入れたいのなら、それ相応に頑張ってもらうしか無いね!

もうちょっと概念的なレベルについて言うと、倫理的あるいは心理学的なインパクト、つまり自然な生体が持っているサイクルを完全に停止させてアンデッドになるということへの抵抗、がある。全身にナノマシンをパンパンに詰め込んだり、遺伝子を大きく書き換えてしまったりしても平気でいられるのは、本当にテクノロジー崇拝に突っ走ってしまった社会でだけだろう。これは何も水のように波立ち、流れる肉体に限ってのことじゃあないんだ!もし、ロールプレイ重視のゲームをやるのであれば、こうした問題を常に自分のこととして考えさせると同時に、NPCたちにも様々に奇妙で、薄気味悪い印象を与えることを忘れないようにするべきだ。少なくとも、治安維持組織のエージェントは、こうした不死のキャラクタを、単に戦闘時の生存性の高さという理由だけでただちに拘留するだろう。

次回:死にたいけど死ねないキャラの作り方!!

All Worldz : A Game of Interdimensional Civilization by ImEG Games


この記事は米国RPGnetの許可に基づき翻訳されたものです。日本語訳については当サイト管理者ben*at*scoopsrpg.comまたは翻訳者まで。記事の内容については本人へ英語で連絡してください。

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