著者:デイヴィッドA.プルバー
カテゴリー:ゲーム
出版社:Guardians of Order
ラインナップ:Tri-Statシステム
価格:19.95ドル
ページ数:168
ISBN: 0-9682431-2-6
SKU: #04-001
カプセルレビュー:マイケルT. リッチャー(99/08/24)
ジャンルタグ:サイエンスフィクション、コメディ、アニメ。アジア、極東
翻訳:SeyfertSluw(seyfert*at*osk.3web.ne.jp)
私の以前のレビューやUsenetへの投稿を見た人ならば私がguardians of Orderと彼らのゲームのファンであることを知っているだろう。理由は明白である。彼らの最初期の製品、Big Eyes, Small Mouth(BESM)が小さな刊行物でセミプロ、ファン活動としての商品であったころからGuardiansはスムーズにプレイができ、彼らが捉えようとしているフレーバーを備えたすばらしくて中身の詰まったゲームを作ってきている。
Dominion Tank Police(DTP)もその例外ではない。Guardiansのライセンス取得製品の第二弾(第一弾はSailor Moon Role-Playing Game and Resource Book)として、DTPはGuardiansの出版のこれまでの、簡単で高品質のロールプレイングゲームを維持している。そして同時にGuardiansのこれまでのライセンス取得ゲームの正しい方法も継承している。ライセンスが必要な製品を出す際にはGuardiansの取っている方法に厳重に注意を払うべきだ。
DTPとは?
DTPは現在のところCentral Park Mediaから販売されているオリジナルアニメビデオDominion Tank Policeをベースにしている。西暦2010年(とあっという間に訪れた滑稽で時代錯誤の危機)を舞台に、オリジナルアニメビデオは環境破壊によって荒涼とした未来を“オーバー=ザ=トップ(度を過ぎた)”コメディと“オーバー=ザ=トップというには少し足りない”ドラマで描いている。このオリジナルアニメビデオは有名な士郎正宗(攻殻機動隊、アップルシードなど)によるマンガのドミニオンをベースにしている。
場所はニューポートシティ、社会秩序はひどい有り様になっており、重大な犯罪が36秒に一度起こっている。この荒廃に対抗する為、タンクポリス、要するに“とんでもなく暴力的で常軌を逸した悪党警官”が戦車を操縦する部隊が、都市郊外を破壊する恐れのあるハイテク犯罪ギャングに対する最後の防衛線として結成された。オリジナルアニメビデオの中で(滑稽な形ではあるものの)多くの問いがなされているものの一つに『病気よりも傷害を矯正すべきか』というものがある。この問いに対してはいまだに解答されていない。
DTPのルールブックはDominion Tank Police オリジナルアニメビデオ(マンガや第二弾のオリジナルアニメビデオ……ライセンス関係が奇妙なことになっている……ではなく)の設定でプレイするためにすばらしく中身の詰まった物になっている。次のような物が含まれている:
実際のプレイの為のゲームメカニクス;
オリジナルアニメビデオの設定でゲームをする為の資料;
オリジナルアニメビデオの設定でのプレイの方法のコツ
中心となるゲームメカニクスはBESMから変更されたTri-Statシステムが用意されている。基本となるシステムはSailor Moonの能力値が最大の5ではなく6にすることができることを除いてほとんど同一の物であるが、二つのサブシステムが追加されている。
新しいサブシステムの一つは、Big Robots, Cool Starships(BRCS)でも収録されていたメカ作成ルールの縮小版である。BRCSのルールに親しんでいればDTPバージョンはすぐ理解できるだろう(実際の変更はDTP版ルールにはサイバネティックスボディの完全なルールが入っていないことだけである)。BRCSのルールに親しんでいなくても15分もあればDTPのルールを理解することができるだろう。
もう一つの新しいサブシステムは追加技能システムである。レベルの低いキャラクタの間の差異を作る為にデザインされている。メカルールを使用する際には、実際にはBESMのOwns A Big Robot(ここではOwns A Big Mechaと表記される)能力値にサブシステムを追加することになる。技能システムは行動判定で使用されるデフォルトの能力値ロールへのボーナスをもたらすように作用する。高い技能がより高いボーナスとなる。
その試みは上手くいっているか?
全体的にはその試みは見事に成し遂げられている。新しいルールはシンプルで即効性があり、ゲームメカニクスに最小限の影響を与えているにとどまっている。Tri-Statシステムとしての形は保ちながらも、多くの要素をゲームに追加している。
メカのシステムを例に挙げれば、サブシステムはOwns A Big Mecha(OBM)能力値を基本としており、OBMレベルの上昇ごとにいくらかのMecha Build Points(MBP)をキャラクタに与えるようになっている。複数のキャラクタが共有するメカを得る為にMBPを供出することが可能である(オリジナルアニメビデオ自身の主人公レオナとアルのように)。MBPはキャラクタ作成と非常に良く似ているが、メカを作成する為のサブシステムが使用される。BESMやDTPのキャラクタ作成に親しんでいれば同じような作業を乗り物などを作成する時にも適用することができる。David PulverはGuardiansに雇われているにしても、もう少し独立した評価を受けるべきだ。
技能のシステムは同じように統合されている(BESMの次のサプリメント:Hot Rods and Gun Bunniesの前準備ではないかと疑っている)。基本的にはそれぞれのキャラクタは技能ポイント(通常は20点)を与えられ、レベル1から6の間で技能を購入することができる。高い能力値はさらに多くの技能ポイントを追加することができる(レベル当たり10)。技能は“専門化(技能の範囲内でのさらに狭い部分の技能レベル)”の追加のある能力値と同じように購入する。
とにかく、技能の購入はキャラクタ作成に親しんでいればごく自然な作業である。技能の反映はそれ自身単純な物である。行動判定で能力値ロールをする際に、その行動に技能が反映されるのならロールのボーナスに技能のレベルを反映させる。専門化がさらに影響するなら-1のボーナスも追加される。メカのシステムと共に技能のシステムが中心となるTri-Statシステムを自然に拡張し、簡単に習得できそして使用できるものになっている。なぜ皆Pulver氏のようにルールを書けないのだろう?
資料は印象深いとは必ずしも言えない。ルールがほんの四分の一で残りがほとんどソース資料だったSailor Moon(SM)ゲームとは違い、この本ではルールとソース資料は半分づつとなっている。これには二つの理由がある。
BESMやSMよりも多くのルールがDTPには存在している。追加されたルールは簡単で即効性のある物だが、多くのスペースを必要としている。
また、設定についての記述が少ないのもある。奇妙なライセンス条件によって、このゲームではオリジナルアニメビデオの4つのエピソードだけが使われているだけである。二つのマンガと第二弾のシリーズについての記述は存在していない。ただそれほど問題にはならないだろう。まず、提供されている資料は高品質で、多くの素材が存在している。次に一般知識として他の情報源から集められた十分な背景設定が用意されている。
最後の部門はよくある“どうやってプレイするか、どうやってこの設定でキャンペーンを行うか?”という情報である。このコツは中身が詰まっている(私の嗜好では時々ボイラーの鉄板のように厚くて硬い物に思えるものもあるが)。この部門での最もすばらしいアドバイスは、プレイヤーが設定での“一つの真の方法”を“知って”いる時に設定を変更して合法的に払いのける、というものである。
製品のできは?
いい出来である。レイアウトは引き締まっており、きれいで容易に読んでいくことができる。編成は非常に内容が詰まっている。本を開いても最初から通して読んでいても探したい物を見つけることに困難はなかった。いまのところ探そうとした単語が見つからなかったことの無い十分に大きなインデックスも存在している(良い編集のおかげでそれほど使っている訳ではないが、塩の一欠けら程度の経験ではそうである)。カバーの前後は非常にすばらしい士郎正宗氏の絵である(少なくとも私はそう思う……非常に見慣れたスタイルである)。内部は白黒のオリジナルアニメビデオからのスチールがちりばめられている。さらに16ページのフルカラーつやありページの部分にビデオからのスチールが掲載されている。ほんの最初から最後までライセンス物ゲームのスタイルシートとして使える本になっている。私にとってのこの製品の唯一の不満は本の最後のそこら辺のゲームでも良くあるように思える当たり前のような広告だけである。
総括
資料本としての小さな問題点(と内容の減点)はあるもののこの本は以下の適合する人が手に取るべき物になっている。
アニメファン、特にDominion Tank Policeオリジナルアニメビデオのファン
BESMに追加の技能のシステムを探しているBESMのファン
正しいライセンス商品の作り方を見たい人(この業界では非常にまれである)
そして従来のSFロールプレイングゲームの設定でプレイしている人にも大きなアイデアの鉱山となるだろう。
体裁:5(すばらしい!)
内容:4(充実している)
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