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Soapbox: About the Industry

利害の衝突、倫理、勝利、そして富 (Conflict, Ethics, Winning, and Money)

by サンディ・アンテューンス (Sandy Antunes)
December 13, 2001

翻訳:Thalion

「RPG デザインの主眼とは衝突解決のためのシステムを作り上げることである」と言い切ってしまうと、みんながそれに同意してくれることはまずあり得ないだろう。なにせ僕らは、(その衝突がどういったものであろうと)ある衝突を解決するためのベストな方法に対しても合意できないのだから。唯一合意できるとしたら、その問題が「未解決である」という点についてだけなのだ。

言い換えよう。Rules of Order を使うことにも同意できないのだから、議論を重ねてある一つの結論にたどり着くことなど土台無理な相談だ。以前、私はある組織で "Robert's Rules of Order (*1)" を採用するよう提案したことがあったが、その結果見事にファシスト扱いされることになった。つまり、この業界ではその様々な階層において、道理を受け入れない人々というものが存在するらしい。

以前チャットをした際、有名なデザイナーである Gareth-Michael Skara (*2) には「気が変わる」癖があり、そのせいで周囲から疎まれている、という話をしたことがある。そう。彼は何か意見を言った後、前言を翻すのだ(ああ、神様)。想像してみて欲しい。彼は積極的に議論する…が、その後で違うことを言い出すのだ。

馬鹿げている! ディベートの目的は「勝つ」ことであって、「皆が合意に至る」ことではないのだ。

Saranjehual (*3)も言っている。「議論しよう。そして君と僕のどちらが正しいかはっきりさせよう。だがその後でも、二人とも自分が正しいと信じているだろうがね」

僕自身について言えば、やはり同じような形で皆を激怒させたものだった。僕は「確信」(不利な特徴 2cp)の持病があって、常に自分のやり方が正しいと信じ込んでいた。もちろん、もっと良い別の方法が見つかるまではの話だ。それが見つかれば僕はそっちに乗り換える。僕の世界では、このやり方が科学的な手順(間違っていると証明されるまでは自説を支持する)だったのだ。でもこのやり方はみんなに嫌われていた。公正さとか話の筋道とかの問題ではなく、人々からの信頼という面において、このやり方には問題があったのだ。

柔軟でない態度をとろうとすれば、しばしば感情的な面が軽視されてしまいがちであるという点は認める必要があるだろう。特に「筋を通す」という場合は。なぜなら、「筋を通す」ということ自体がフィクションであるからだ。そして、「みんなにとってベストである答え」などというものは存在し得ない。皆が等しく合意できない理由の一つがそこにある。

だからこそ、独断的に一つの答えを決め、それが唯一かつ最善の道であると主張するのだ。そのことこそが我々の強さであり、社会の基本原則なのである。TVに複数のチャンネルがあるのもそのためだ。例えば、ワールドカップの優勝チームだってケナす奴がいる。それは試合の勝敗ではなく、(最低なことだが)単に自分の贔屓のチームでないという理由からなのだ。

僕らがデートや結婚の相手を選ぶとき、必ずしも友達みんなが気に入ってくれる相手を選ぶとは限らない。それには様々な、かつ議論不能な理由が関係してくるのだ。人と違うということには良い面もある。だが、そういう意味では、議論というものにも何らかの限界があるということだ。

よって、僕らが本当に考えなければいけないことは、「違いがあることは正しいか?」ではなく、「(必ずしも特定の議論での合意は求めないが) 皆が合意することが出来るメタなルールというものは存在しうるか?」なのだ。この点について、ロールモデルが存在するかどうか、ええと…宗教や政治の面で見てみよう。

うーん、無いね。

じゃあビジネスではどうだろう? 空想上の自由市場では? もちろんそこにはメタルールが存在する。僕たちゲーマーはビジネス界でやっていける! ルールに生き、ルールに死するのがゲーマーなのだから! ルールに従うことにかけては自信があるぞ!

ちょいまち。それはビジネス上では不利な特徴だ。ビジネス界の倫理には、大きく二つの流儀がある。A)正しいことをせよ、と、B)違法行為に対する罰則とそれによって得られる利益とを比較し、後者の方が十分大きいなら、違法を行え、である。基本的には、ズルをしてもかなりうまくいくことが多い。

ゲーム上では、ズルをすれば大抵勝てる。問題は、そうしてまで勝つ意味があるか、という点だ。ゲームでそれをやれば、ゲームがつまらなくなる。ビジネスでなら、金儲けが出来る。まぁそれはまた別の話ではあるけれども。

こうしてみるとなかなか面白くなってくる。例えば、ルールに従いズルをしないとしよう。多分君は理性的で、物事には様々な観点があるということも分かっているとする。君は破滅するしかないのか?

とんでもない! 僕らはルールを作るもの、人間だ。今こそ、僕らが経験してきた発見的手法を現実世界にも適用するときなのだ!

こんなシチュエーションを想像するのだ: 君は闘技場で一人の敵と相対している。どちらかが死ぬまで戦わなければならない。君は名誉を大切にしている。だが、相手が君のように名誉に則って行動するという保証はない。慎重な戦士であれば、相手がイカサマや、本に載っているような様々なトリックを使ってくることも考えに入れるだろう。しかし自らはそうした手管に手を染めることはしない。守りを固め、自分の力に集中するのだ。

そんなわけで、僕らはゲーム業界の末席を汚しつつ、こうしてルールブックを作っている。けれども、物事にはルールでは捌ききれない事柄、つまりよりメタ的な、「ルールに語られないルール」的な問題というものが存在するということを忘れてはならない。

ビジネスにおけるメタルールは、「最大の利益を目指し、実刑を回避する」ということになる。あるいは「ベストを尽くせ。そして夜にはちゃんと寝ろ」かも知れない。どちらを選ぶかは君たち次第だ。政治家ならば「再選を目指せ」、宗教家ならば「信仰は利潤(この部分は何か他の言葉に置き換えても良いだろう)に勝る」だ。インターネットやフォーラム関連については「最低限の礼儀をわきまえることが、みなの幸せに繋がる(プールでオシッコしちゃダメよ!のルール)」だろう。RPG をプレイする場合のメタルールは「ルールを守るのは本来もっと楽しいことだ(GM がアホである場合は例外)」。おっと、これは問題発言かな?

好きなルールを選びたまえ。他人のやり方は自分とは違うのだということを理解したまえ。勝利せよ。そして楽しみたまえ。


*1 : Robert's Rules of Order
1876年に米国の陸軍軍人Henry Martyn Robertにより提案された会議運営のためのルール。会議の進行手順が厳密に定められている。後に様々な改良が施され、現在では改訂第十版を数える。別名をParliamentary Procedureとも。
公式サイト(英語)→http://www.robertsrules.com/
*2 : Gareth-Michael Skara
ライブアクションRPG(LARP)であるUnderWorldのデザイナーであり、RPGコラムニスト。
インタビュー記事(英語)→http://www.lrp-index.org.uk/zine/Issue03/interview3-1.html
*3 : Saranjehual
RPG.netの常連投稿者であり、またチャット常連でもある。

この記事は米国RPGnetの許可に基づき翻訳されたものです。日本語訳については当サイト管理者ben*at*scoopsrpg.comまたは翻訳者まで。記事の内容については本人へ英語で連絡してください。

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