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RPGnet Soapbox: About the Industry


オレンジ対バナナ:娯楽のコスト(Oranges versus Bananas: Entertainment Costs)

by サンディ・アンテューンス(Sandy Antunes)

December 14, 1999

翻訳: Thalion<thalion*at*os.rim.or.jp>

さて、12月になったんだけど、僕はというと、またいつの間にか、例の「RPGってコスト掛かり過ぎ」議論にはまり込んでしまった。ただ、今回の相手は、熟練した、物知りなゲーマーじゃない。僕の親戚が相手なんだ。

一冊の本やゲームを買うのに、30ドルも出すなんて考え方は、大抵の人にはちょっと分かってもらい難い。結局、25ドルも出せば、スタンドアローンのコンピュータゲームが手に入るんだし、大抵はそれで十分だ。残る5ドルで、レンタルビデオを一泊借りしたっていい。ペーパーバックなら一冊たったの6ドルだ。RPGって、どうしてそんなに高くつくんだ?

オーケー。取りあえず数字を出してみよう。出したお金で何が手に入るか、挙げて見ることにする。これから仮説を立てて、その後、かっちりとした、冷酷な形で数字を、表にして挙げてみる。

一般的なユーザーについて考えてみよう。つまり、セッションの頻度は、一ヶ月に一度以下で、一週間に20時間はテレビの前で過ごし、一ヶ月に一本の割合で、コンピュータRPGを遊ぶ、というものだ。それぞれのジャンルで自分が「ダイハード」的な遊びかたをしているという人は、単純に一時間当たりのコストを半分にしてくれ。これはつまり、遊ぶ時間が倍になるということは、時間当りのコストが半分になる事を意味するからだ(ただし、本や映画、あるいはその他のイケナイ事なんかは、この例外となる)。さぁ、行ってみよう!

RPGの基本ルールブックは、大体30ドルぐらいだ。仮にこれを1ヶ月毎のキャンペーンで、1回あたり3時間、12回のセッションを、プレイヤー3人と GM 1人でやるとする。ルールブックが1冊だけという訳にはいかないので、もう1冊買って、30ドル追加しておく。RPGの市販シナリオは、一本あたり大体15ドルといったところだ。これが3時間のセッション2回に使えると考えて、これを合算する。

プレイヤーも本を欲しがるだろう。上に挙げた期間に、プレイヤー一人がRPGのサプリメント(スプラットブック、とも言う)を一冊欲しがると見て、これも足しておこう。

更に公正を期するために、「いっぺん(*1)」系の RPG を想定する。一冊あたり30ドル。一度だけ(大体3時間のセッション1回分、友達3人と)プレイするとする。このケースが最低のブラケット(あるいは最大のコストとも言うが)となる。

単なる読書とも比較してみる。250ページの小説一冊。これを1ページあたり3分で読むとすると、大体12時間程度楽しめることになる。これが6ドル。

娯楽には実に様々な選択肢がある。"Link's Awakening"(*2)などのゲームボーイの CRPG(ゲームデザインが優れていた)だと、大体プレイ時間は20から30時間というところになる(25時間としておこう)。このソフトは25ドルで、それに加えてゲームボーイ本体のコスト(70ドル)がかかる。ゲームボーイのオーナーは、最終的には4本のゲームソフトを買うと想定しよう(1プレイあたりのコストは17ドル+それぞれのゲームのコストとなる)。

さて、もう一つのサンプルとして、ゲームボーイのテトリスを取り上げてみよう。ハマリ度の高いゲームだ。70時間(一時間当たりのコストは 25+17 ドル)ぐらい遊ぶとしよう。更に、ベーグルマイスターを加えておこう。これは真にクソゲーで、2時間遊ぶ前に捨ててしまうような代物だ。これでコンピュータゲームのコストの上限下限はうまくカバー出来たと思う。

PC コンピュータゲームは、ちょっとお高いハードウエアが必要だ。システムは大抵二年ほどもち、コストは2000ドルと言ったところ(ここでは、ゲーマー用の良いハードウエアを前提にしている)。1ヶ月あたりのコストは、単にそのマシンを持っているというだけで83ドル。ゲーム1本は大体40ドルで、20時間程度楽しめる。これはゲームボーイと同じだ。普通のゲーマーを考えた場合、1ヶ月あたり大体1本のソフトを買うとする(これによって、計算上、ハードウエアの月あたりのコストは下げることが出来る)。

そして、コンピュータを他の目的に使う事を計算にいれても、だ。やはり全然勝負にならない。驚くほど沢山の人が「より生産性を上げるため」コンピュータを買うけれども、大抵そのコンピュータは、かなりの時間(あるいは全ての時間)をゲームのために消費する事になる。ソリテアやハーツは確かに無料で、ゲームあたり $40 という単価を下げてはくれる。しかし、言っておくが、それであっても、機械本体に掛かっている莫大なコストの事を考えなければならない(バカ高いソリテアマシーン!)。

オンラインゲームについても考えてみよう。プロバイダ料金($15/月)、ゲーム利用料金($20/月)だ。君がそのゲームを熱烈にプレイするとして、一晩あたりのプレイ時間を 3時間としよう。正直言うと、そういう事に毎晩3時間も費やせる人がいるってこと自体、僕にとってはかなり妬ましい事ではあるんだけどね。

公正を期するために、コンピュータがゲームに使われていない場合を考えてみる。平均的なプロバイダ($15/月)を使って、E-mail や、ウェブブラウジングに、一日3時間ほど掛ける場合を考えてみよう。計算してみると、1時間あたりのコストが算出できる。

さて、次は映画だ。3時間で $7。あるいは、レンタルビデオの場合だと、3時間で二人が $5 で楽しめる。これだと、一人あたり、あるいは時間あたりのコストを随分と節約できる。

TV はかなり安上がりになりそうだ。とりあえず大まかにやってみる。$300 の TV セットを一つ。これを1年間使用するとする。ライトユーザー(10時間/週)と、ミディアムユーザー(20時間/週)、ケーブルユーザー(20時間/週で、$40/月のケーブル視聴料金)について、考えてみることにする。

イケナイお楽しみについて考えてみる。1日飲んだくれる場合、1時間あたり1本で、1本あたり $5 とする(チップはケチる)と、この「趣味」の1時間あたりのコストが出せる。また、古き良きチョンの間って奴を考えればだ、二人が20分でたったの $1 (コンドーム代)で済んでしまう。何てお安いんだ!

最後に、君が娯楽にかけているコストが、正しくバランスの取れたものであるかどうかを確かめるために、君の時間の価値がどのくらいかを計算しておく必要がある。一日あたりの労働時間を8時間として、年間 $24,000 のサラリーを得ているとすると、一時間あたり $3 のコストを支払うのに十分になる。これが $48,000 だと、一時間あたり $6 まで払える。一語あたり 3 セントのフリーライターの場合、商品価値のある文章を、一晩あたり 3,000 語書く。すると、一日あたり $3/時ということになる。

さて、結果はどうなったかな?

(時間尺度) 娯楽の媒体 一時間あたりのコスト 一時間×一人あたりのコスト
RPGs
(1年) RPG 基本ルールブック $1 $0.25
(1年) RPG 基本ルール 2冊セット $2 $0.50
(1ヶ月) RPG 市販シナリオ $2.50 $0.65
(1年) RPG サプリメント $0.50 $0.50
(1ヶ月) RPG セットのトータル $2.92 $0.73
(3時間) (いっぺん RPG) $10.00 $2.50
書籍
(1週間) 小説 $0.50 $0.50
コンピュータ
(25 時間) ゲームボーイ+ゼルダ $1.70 $1.70
(70時間) ゲームボーイ+テトリス $0.60 $0.60
(2時間) (ゲームボーイ+ベーグルマイスター[tm]) $21 $21
(1ヶ月) PC ゲーム $6.70 $6.70
(1ヶ月) オンライン RPG $1.31 $1.31
(1ヶ月) Email $1.10 $1.10
TV
(1年) TV, ライトユーザー $0.60 $0.60
(1年) TV,ミディアムユーザー $0.30 $0.30
(1年) ケーブルTV $0.70 $0.70
イケナイ遊び
(1年) 呑んだくれる $5.00 $5.00
(20分) チョンの間 $3.00 $1.50
君たちの収入
(1年) 年収 $24K $3.00 $3.00
(1年) 年収 $48K $6.00 $6.00
(1月) フリーライター $3.00 $3.00

一番右側の列を見てみよう。ここは、その娯楽で、一人の人間が一時間楽しむためにかかるコストになる。大抵の娯楽の場合(一人でするナニはとりあえず置いといて)、一時間あたり $0.25〜 $50 ぐらいまでに納まっている。つまらないものほど金が掛かる事になっているが、これは、その娯楽にすぐ飽きてしまうからで、最初に思っていたよりも、短い時間しか掛けていないからだ。だが、こういう出来の悪いものを除外してみると、娯楽は大体三つのカテゴリに分けられる。

1ドルあたり一番楽しめるのは、長時間かけられるもの(TV)か、大人数で楽しめるもの(RPGs)だ。これらは、一時間あたり $1 未満で楽しめる。TVが安く上がるのは、沢山の時間をかけて見るからだ。ここで大事なのは、僕らが問題にしているのは「価値」であって、「どちらがより楽しいか」ではないという事だ。

RPG のスコアが良いのは、大人数で共有出来るからだ。マクロ経済的に言うならば、あるグループがコストを正しく分担するかどうかは、そのグループに依存する事になる。分担しないのならば、可哀相な GM が全額を支払い、プレイヤーはそれにほぼただ乗りする事になる。こうなると、RPG というのは、プレイヤーにとって非常に都合の良い取引きという事になる。必要なコストは全部、 GM の財布から出ているのだから。

中盤グループは PC ゲームと、その他の個人的な娯楽が占めている。これはつまり、娯楽の購入にかかるコストが、多数で分担されないという事に他ならない。そして、その投資に対する「見返り」が与えられる期間が、有限であるという事だ。

それ以外の、非常に高価な項目については、映画(コストが高く、固定)と、イケナイ遊び(一回あたりのコストがやっぱ高くて一定)が占めている。ここまで来ると、時間あたりの楽しみとして許容できるかどうかは、ぎりぎりになってくる。

さて、君にとってのゲームって、どの位の価値かな?

じゃあまた来月。
Sandy Antunes
sandy*at*rpg.net


訳注

*1 : いっぺんRPG
原語は "a sucky RPG"(つまんねーRPG)だったが、意訳した。「いっぺん」とは、「一度だけプレイすれば十分」という意味の言葉であり、主に「面白そうだけど、続けてプレイするほどのもんではないなぁ」とか「とりあえず話のタネにでも」とか、そういう系統のゲームを指す。

*2 : Link's Awakening
多分、任天堂の「リンクの冒険」系のゲームだと思うのですが、訳者が任天堂系のゲームに詳しくないので、邦題が分かりませんでした。ごめんなさい。


この記事は米国RPGnetの許可に基づき翻訳されたものです。日本語訳については当サイト管理者ben*at*scoopsrpg.comまたは翻訳者まで。記事の内容については本人へ英語で連絡してください。

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